褒めて伸ばそうとしていますが、 なかなか育たない、という相談

「部下は褒めて育てる」

 

これが昨今の
人材育成のトレンドです。

 

しかしながら
積極的に褒めているけど、
なかなか部下の反応は鈍い。

 

「褒めても成長しない」

 

上司が期待するような
自分で考えて、
自立する部下に成長していない、、、

という悩みを、社長や
マネージャーさんから相談されます。

 

そこで、僕が
長年やっているある方法を
教えているのです。

 

----------------------
褒めて伸ばそうとしていますが、
なかなか育たない、という相談
----------------------

 

僕は昔から部下を育てるとき、
ピグマリオン効果を活用しています。

 

ピグマリオン効果とは、

ロバート・ローゼンタールという
アメリカの教育心理学者によって

提唱された心理的行動です。

 

ピグマリオンとは、
ギリシャ神話に出てくるキプロス島の王で、
彫刻家でもあります。

 

彼は現実の女性に失望し、
自ら彫った像に恋をし、
人間になることを願いました。

 

それを不憫に思った
愛の女神アフロディーテ
その像に命を吹き込むという神話です。

 

ちなみに

「教育期待効果」とも
「ローゼンタール効果」とも呼ばれます。

 

例えば、
あるスポーツチームがあったとします。

 

そのコーチが選手に
「君はもっと良いプレーができる」
と期待すればするほど、

その選手は努力をするようになり
コーチの期待に応えるプレーをします。

 

逆に、ピグマリオン効果
反対が「ゴーレム効果」です。

 

コーチが期待していない選手は
成績が伸びることはありません。

 

また、

ピグマリオン効果に似ているものに
「ハロー効果」というものがあります。

 

似てはいますが、
根本が違うのです。

 

ピグマリオン効果は、
期待する態度を取り続けることで、
実際に期待した通りに振る舞い、
結果に応えるという教育的心理術です。

 

分かりやすく言うと、

雰囲気が良くて
顔が整った男性は仕事ができる
と感じてしまう感覚はハロー効果です。

 

使い方を間違えると
悪影響を与えるリスクもあります。

 

例えば、

仕事の能力が高くて
成績を出しているけれど
協調性が低い社員っていますよね。

 

もし彼の業績を課題に評価すると、
人物面での評価も高くされてしまう。

 

かれをマネージャーに昇格させたら
パワハラモラハラを繰り返し、
退職者が増えてしまった。

 

そんな上司は、

業績を時間内でこなし
定時に帰る社員がいたら
「あいつは一生懸命やっていない」
などと低評価を下してしまうかもしれません。

 

このように人事の現場では、
ハロー効果によるデメリットを
把握しておかねばいけないのです。

 

部下を育てたいのなら、
ある程度の裁量を与えること。

 

「期待しているよ」と声を掛けつつ、
上司が細かく指示を出していては、
信じて任せているとは言えません。

 

過保護にならないで、

裁量を与える場面では
細かく指示を出さないのが
有能な上司です。

 

ハロー効果はその人の特徴から
全体を判断してしまう心理ですが、

ピグマリオン効果
相手の期待に応えるために
自分の行動を変えようとする心理です。

 

ハロー効果は、
評価エラーを起こしかねません。

 

でもピグマリオン効果は、
期待以上の成果を出す可能性があります。

 

失敗してもいいので、
自分で考えて失敗させて、
それを敢えて咎めない。

 

でも、ちゃんと
成果が出たら褒めるのです。

 

能力や才能を褒めるのではなくて、
成果が出た時にだけ褒めるのです。

 

人間の多くは偽善者なので、
だいたい性格とか才能を褒めがち。

 

でも、人材育成の達人は
そこが違うのです。

 

これを、ある社長に話したら
黙って納得してくれましたw